リフォーム工事の目的と作り手としてのジレンマ

作り手のジレンマ

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大工をしていた頃に一緒に仕事をしていた後輩のブログ記事を読んで感じた事を少し書いてみようと思います。

(記事はコチラから ~終了です、つくる人が諦めたら~ )

設計士としては今まで新築メインでやってきたので、この記事の様なジレンマを抱えた事はないのですが、大規模なリフォームをするとこういう考えも出てくるだろうなぁと・・・。

建築家は施主が望んでいなくても、命に関わる事は諦めずに伝えていかなければならない。

理想だと思います。

本当に施主の事を考えてそういう提案をしてくれるリフォーム会社や建築家は最高の作り手だと思います。

ただ、リフォーム工事って主な目的は結局のところ『居住性を高めたい』とか、『デザイン性を高めたい』とかが大半なので、最後は予算の関係でできない。

提案をすればおそらく100人中100人が、リフォームする際に耐震化をした方が良いと考えるはず・・・お金があれば。 ボランティアでする訳にはいかないので、お金の問題は切り離して考えられません。

リフォームを提案した人に100%耐震化を受け入れられる為には、耐震化工事前提のリフォーム工事店として強いコンセプトを提案していく等の方法もあるかもしれません。けど、なんかそれも違う。

施主が選別されるだけで、全体としては何も変わらない。

施主の考え方次第で割り切る必要があるんじゃないか?

万が一の地震のリスクを考えて耐震化の工checklist-1266989_960_720事までして他の部分を諦めるのか、万が一の地震の事は考えずに理想のリフォームを実現するのか。予算がある以上、これは施主の考え方次第だと思います。

耐震化工事をする為にお金を掛け過ぎて、生活が苦しくなってしまっても本末転倒。万が一の事を考えて耐震化をして欲しいという建築家としての想いも分かるので、難しい。僕自身の考えとしては、『お金がない以上、割り切らなしゃあないんちゃうの?』と。

伝える事は必要だと思いますが、する・しないは別の話で、伝わっていてもしないという選択をせざるを得ない人もいるのが現実。優先順位として、耐震化工事は後廻しという方が存在するのも理解すべき事。

家は命を守る為のものだから、絶対に耐震化工事はして下さいとまで言ってしまうと作り手のエゴになってしまう。予算以上の工事を提案すると、利益を求めていると思われるたりする事も。もちろん良心を快く受け入れて下さる方もいるかと思いますが、消費者心理としては中々難しい。

作り手としてできる事といえば、他の部分の工事を安く良いものに仕上げて耐震化までしてもらい調整できるというのがベストなのかなぁと。

これが簡単にできれば誰も悩まないか(^^;)

大切な事は総合的に調整する事

耐震化工事の話だけでなく、生活の利便性を考えての提案や、デザインの提案でも、作り手としてのエゴになっていないのか?という事を考えて、施主の考え(予算・ライフプランも含めて)をくみ取り調整していくのが一番大事だと思っています。

冒頭の記事の中にある様に、伝わる様に努力できる事や異なるアプローチを考えていくのは必要ですよね。

そうすれば、耐震化工事についての重要性や理解が深まり安全な住宅が増えて、ストックとしての良質な中古住宅の流通につながる。

かつて一緒に仕事をしていた後輩が、熱い思いを持って建築という仕事を続けているというのは感慨深く嬉しいものです。(^.^)

負けない様に頑張らなくては!

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プロフィール

大政 容平
大政 容平エン・ワークス(設計士・宅建士)
大工・2級建築士・宅地建物取引士。1980年生まれ。2児の父(男の子と女の子)。趣味は、ギター・料理・日曜大工。大工は元プロですが(;^_^A。子供は何でも作れると思っちゃってます。建築・デザインが好きで、リフォームや新築も承ります。(100棟超の新築住宅設計)ブログもやってますので、見てみて下さいね♪

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