気付かせないデザイン

あえてここではデザインと言いますが、気付かせないデザインってのがあります。

デザインしましたっ!てのが嫌いな性なので、デザイナー住宅って言葉は一周回ってダサい家って認識ぐらいひねくれています。

アクセントクロスでイメージ付けしたりするのは実は嫌いです。(結構やっておきながら💦)

賃貸物件で小手先のイメージ付けに使っちゃいがちですが、本当は使いたくありません。

本当は壁なんて真っ白でも綺麗と感じる空間を作りたい。

なんとなく綺麗だな、なんとなく落ち着くなと思う空間は無駄の無い空間だと思います。

無駄なラインを削ぎ落とすと空気感が変わります。

巾木を無くす。廻縁を無くす。建具枠を無くす。垂れ壁を無くす。袖壁を無くす。窓枠を無くす。サッシ枠を無くす。引き戸レールを無くす。扉の取ってを無くす。壁の凹凸を無くす。変な納まりを無くす。

無くす事が有るのです。

禅問答みたいですね(笑)

これらを無くした上で機能性も損ねない様にするには手間暇とお金がかかります。

無くす方が難しいものがたくさんあります。

無くす事で雑味が無くなり洗練された空間になります。

けれど無くす=無いので気付かなかったりします。

気付かなくても本能的に感じます。

綺麗だなと。

これが気付かせないデザインです。

自分がひとつレベルアップしたなと思った経験があります。

ある障子の写真を見て、美しいな。綺麗だなと。

何故綺麗なのかが分からなくて、沢山のその他の障子と何度も見比べて何故綺麗なのかを考えました。

分からないんですコレが。

結局その建物を設計した方の本に掲載されていた詳細図をみて答えが分かりました。

カンニングです(笑)

そういうことか~っと腑に落ちてレベルアップしました。

明確な設計意図があったのです。

気付かない事に気付いた瞬間です。

それと同時に詳細にこだわると感覚的に綺麗だと感じる空間ができるのだと感動しました。

こういうのが設計だなと。

ただ間取りを決めて、部材を選んで、とそれだけではなく、寸法・機能美・納まり・比率・使いやすさ。

視覚・触覚・嗅覚・聴覚。

味覚は関係なさげです(笑)

間取りを決めて・コーディネートする、これだけなら誰でもできます。

設計とはその先だと思っています。

■ちなみにその障子についてのお話 (5年前に書いた記事や💦)

https://reform-shinchiku.com/%E9%9A%9C%E5%AD%90%E3%81%AE%E6%84%8F%E5%8C%A0/

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プロフィール

大政 容平
大政 容平エン・ワークス(設計士・宅建士)
大工・2級建築士・宅地建物取引士。1980年生まれ。2児の父(男の子と女の子)。趣味は、ギター・料理・日曜大工。大工は元プロですが(;^_^A。子供は何でも作れると思っちゃってます。建築・デザインが好きで、リフォームや新築も承ります。(100棟超の新築住宅設計)ブログもやってますので、見てみて下さいね♪

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