資産形成と住宅ローン~賃貸併用住宅のススメ②~

賃貸併用住宅のシュミレーション

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賃貸併用住宅のススメ②として今回は具体的な数字で不動産投資の有効性をみていきましょう。(前回の記事はこちら)

【検討物件】※現在実際に出ている物件で検討してみます。利回りが低かったので、最低でも4000万で購入という事で検討しています。4300万が実際の販売価格です。数字も分かり易く少し調整しています。

価格:4000万円

家賃収入月額:28万8千円 (4万8千円の2LDK×6室)

家賃収入年額:345万6千円

利回り約8.64%の物件で検討してみます。(じっくり時間をかけて探せば10%を超える物件もありますので、条件としては悪い物件での検討となっています。)

利回り・・・物件の収益性を示す数値で、年間家賃収入÷物件価格 で計算されます。物件のメンテナンス費用や固定資産税等のランニングコストを計上していない利回りを表面利回りといい、一般的に不動産投資の物件サイト等の利回りの記載は表面利回りを記載しています。(満室での想定利回りを記載している事が一般的です。)

さて、この物件を前回の記事で書いた様に、1室を自己居住用として住むという前提で住宅ローンを利用して取得した場合を考えてみます。

購入の為の自己資金は物件価格の10%として、400万円と仮定して、4000万はフルローンで借入れると仮定します。

借入条件を金利2.475%返済期間35年元利均等返済とすると、月額14万2462円の返済となります。(通常の住宅ローンと異なり、投資部分がありますので金利は高くなります。)

家賃収入の月額は自己居住部分をのぞくと、24万円(年収288万円)となります。借入額の返済をしても9万7538円のプラスとなります。2室空き室が出ても手出しが不要な状態です。

しかも自己の居住費が不要です。

シュミレーションでの年間手残り金額

シュミレーションで年間の経費(固定資産税・維持費)を年収の20%、空室率を10%、5年毎に家賃収入が3%減額と見込んでも、年間手残りは以下になります。

■当初5年間は30万6448円

(経費・空室率分合計30%=86万4千円 年間想定収入が288万円 返済年額が170万9544円)

■6年~10年は22万48円

(経費・空室率分合計30%=86万4千円 年間想定収入が288万円 返済年額が170万9544円)

手残りとしては少ないですが、自己の居住費が不要で返済も進んでいる事を考えるとどうでしょうか?

シュミレーションとしては厳しめに見込んでいますので、現実的に可能な数字だと思います。

さて、運営が上手くいけば保持し続けても良いのですが、収益物件として建物の価値があるうちに売却した方が、出口が見えやすいので、10年経過後に売却すると考えてみます。

10年経過後の売却シュミレーション

10年経過後には残債が3184万5284となっています。

売却価格は家賃下落をマイナス6%(324万8640円)・取得時の利回り8.64%で売却できるとして、3760万円とします。

取得時に400万の自己資金を使用した分、売却時仲介手数料の128万3040円(単に3%プラス6万の消費税で計算しています。)。担保抹消・売渡費用・繰り上げ返済費用として約5万円かかる分はマイナスとします。

年間手残り分(キャッシュフロー)がシュミレーション通り累積していれば、(30万6448円×5)+(22万48円×5)=263万2481円プラスとなっています。

トータル収支は 3760万+263万2481ー400万ー128万3040ー5万ー3184万5284=305万4157円 のプラスとなりました。

※減価償却と所得税・住民税については考慮していませんが実際は自己の収入と原価償却や経費を考えて節税を行う必要があります。

低いパフォーマンスの物件でも、融資戦略次第でプラスの収支とできます

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このシュミレーションを行った物件は利回りが低かったので、あまり良いパフォーマンスとは言えませんが、それでもプラスの収支となっています。

これを可能としているのは、住宅ローンを利用した融資戦略です。長期間の返済ができる事は不動産投資において非常に有利に働きます。(この辺の解説は別の話になるので割愛させて頂きます。)

何度も言いますが、シュミレーションの10年間の期間は自己の居住費を支払っていません。4万8千円を貯蓄に充てていれば10年間で576万円の貯蓄ができています。

上手いタイミングで10%ぐらいの利回りの物件を見付ける事ができれば、かなりリスクの低い投資になる事だと思います。

なるべく土地だけの価格に近いぐらいの土地値物件を見付ける事ができれば、物件価値下落リスクも低くなりますので、さらにリスクが低くなります。

ご興味ございましたらお会いの上で、物件のご紹介と融資先のご紹介をさせて頂きます。(お問い合わせはこちら

それにしても、シュミレーションで検討した物件は価格が高いですね。(^^;)

駅近でファミリータイプのハイツなので空室リスクは少なく、長期入居となる事が多いのが理由での強気の値付けだと思いますが、住宅ローンではなく通常の不動産投資用の融資で考えると築年数が経過しているので、返済期間が短くなり投資として成立させる事が難しい物件です。(この価格ではおそらく、現金買いの方や節税目的の富裕層の方しか購入できないと思います。)

金利上昇リスクや空室リスク・滞納リスク等不動産投資には様々なリスクも存在し、良い事だらけという事ではありませんので、よくお考えの上で投資を行う様にして下さい(^.^)

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プロフィール

大政 容平
大政 容平エン・ワークス(設計士・宅建士)
大工・2級建築士・宅地建物取引士。1980年生まれ。2児の父(男の子と女の子)。趣味は、ギター・料理・日曜大工。大工は元プロですが(;^_^A。子供は何でも作れると思っちゃってます。建築・デザインが好きで、リフォームや新築も承ります。(100棟超の新築住宅設計)ブログもやってますので、見てみて下さいね♪

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